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声優・阿澄佳奈さん、吉岡茉祐さん出演の舞台"タイプ"を観てきました

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 先日観劇した暗転エピローグに引き続き、劇団SUGARBOYの"タイプ"を観劇してきました。

sugarboy.tokyo

 今回のお目当ては、声優であるところの阿澄佳奈さん、そして吉岡茉祐さんです。阿澄さんはそれこそ、ひだまりスケッチの頃からのファンでして、最近は舞台女優としても活躍をされていることは、みなさんもご存じのことでしょう。

 吉岡さんといえば、Wake Up,Girls!でしょうか。ただし私自身、WUGシリーズは未履修であり、吉岡さんと言えばTokyo 7th シスターズの鰐淵エモコの方が印象が強いわけです。最近ではファミ通チャンネルでゲーム配信とかやってますね。みんなも観て。

 

 さて舞台"タイプ"のお話。人間の持つ様々なタイプの感情を、オムニバス形式で表現するというものでした。この感想を書いている時点で記憶しているのは、「歓喜」「絶望」「憤怒」あたりです。演者が各短編ごとに立ち位置を入れ替え、各感情をテーマにした、少しコメディチックな演劇を披露していました。個人的にはハキムが登場するコンビニのシーンや、音姫のシーンが好きです。川尻さんのビートたけしのモノマネは死ぬほど笑った。

 そして、劇が進むたびに少しずつ様子が怪しくなっていきます。演じられている劇には、どうやら「観衆」がいるようなのです。すなわち、私が観ているのは「劇中劇」ということになります。次第に、演劇のバックストーリーが明かされていき、どうやら登場人物たちはとんでもない状況に立たされていることが分かっていく・・・というものでした。

 

 さて、阿澄さんと吉岡さんに焦点を当ててみましょう。まずお二方の声優としてのキャリアは、もちろん阿澄さんの方が上なわけですが、この舞台の登場人物の設定として、阿澄さん演じる戸田真子は、吉岡さん演じる春日雪見の後輩ということになっており、吉岡さんが阿澄さんにタメ口で話すという状況に頭がついていかなくなりそうでした。役者というのは、役に没頭すると自我さえ後ろに引込められるんだなぁと感心してしまいました。役者にとっては当たり前かもしれませんが・・・。

 

 そして舞台で演じられたお二方の演技に、それはそれはもう圧倒されてしまいました。会場は赤坂レッドシアターで、会場は恐らく200から300人くらいの小さなハコ。勿論演者はマイクなど使っておらず、その肺活量で以てして声を張るわけです。阿澄さんは透き通るような声をお持ちですのでとても聞き取りやすい。吉岡さんは女性の中では結構声が低い方のようですが、地声がとても大きい。その声量と、肝の据わった演技が大変魅力的でございました。4U 鰐淵エモコの声を聴いた時から好きでしたが、今回の観劇を通してすっかり虜になってしまいました。

 

 小ネタとして、舞台上でお話が進んでいる中、突然吉岡さんが観客側の通路を歩いてきて、A列の人に絡んでたのが面白かったです。D列からその様子を見ていましたが、最初は遅れてきた人が「そこ私の席ちゃうか」なんて面倒くさい絡みをしてきたのかと思いハラハラしていました。確かレストランのシーンで、宮下雄也演じる徳島が、佐久間麻由演じる吉川にプロポーズする場面だったかと思います。いやぁ笑った。

 

 舞台の終盤では、人間の持つ様々な感情を他者が理解できるのか、他者に説明できるのか、というテーマが明確になっていきます。このあたりが舞台タイプの本質なのかなぁと私は認識していますが、確かにこれはテーマとしてはすごく面白いものだと感じました。私自身としては、結局のところ他人のことを完全に理解することはできないだろうと思っております。でも、理解するための努力は絶対的に必要だとも思います。その努力をして、相手に伝えること、これが愛なのではないかと思わされました。このように色々なことを考えるきっかけにもなる、歌唱メインのライブイベントとはまた違った魅力がある舞台演劇、みなさんも興味あれば行ってみましょう。

 

 P.S. 観劇当日はその後にスペシャルイベントもあったそうですが、登壇者に浅沼晋太郎寺崎裕香さんがいたそうです。行きたかった・・・